錠を閉じるテキサスの保安官
「え、桁間違えてない?」
全米第2位の人口を抱え、強硬な保守州として知られるテキサス州の9,100店舗に、静かな絶望が走りました。
3月31日をもって、州内での喫煙可能ヘンプ製品の販売が全面禁止に。
さらに小売業者の年間登録手数料が150ドルから5,000ドルへ、前年比3300%増という、暗号資産バブルでもなかなか見ない狂乱価格です。
引き金は「Total THC」規制の導入。
「加熱したらTHCになるなら最初からTHCだろ」という理詰めで、THCAフラワーが軒並み退場となりました。
ゴールポストを動かされた形です。
この「加熱換算・抜け穴封鎖」の発想、日本の残留THC基準(10ppm以下)と思考プロセスが完全に一致します。
テキサスの今日が、日本の明日にならないとは言い切れません。
Texas ban on selling smokable cannabis takes effect March 31
参考記事:KUT Radio(2026/3/11)
このニュースの関連用語解説
Total THC(トータルTHC)
THC(デルタ9-テトラヒドロカンナビノール)に加え、加熱・燃焼によってTHCに変換されるTHCA(THC酸)も含めた合算値で規制する考え方。従来の「デルタ9-THC単体」規制では0.3%以下だったヘンプ製品も、Total THC基準では規制超過とみなされる場合がある。テキサス州はこの基準を導入し、THCAフラワー等の製品を事実上排除した。
THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)
THCの前駆体となる酸性型カンナビノイド。生の大麻草に多く含まれ、それ自体は非活性状態だが、加熱(デカルボキシル化)によりTHCへと変換される。デルタ9-THC単体規制では「ヘンプ」として流通できたTHCAフラワー製品が、Total THC規制の導入によって規制対象に取り込まれる流れが米国各州で広がっている。
残留THC基準(日本)
日本では厚生労働省の通知に基づき、CBD製品中のTHC残留量を10ppm以下とすることが求められている(食品衛生法上の自主基準として運用)。「製品中に存在するTHCの総量」という発想はテキサス州のTotal THC規制と思考構造が近く、今後の規制強化の参照軸になり得る。
よくある質問(FAQ)
Q. テキサス州の規制は他の米国の州にも広がる可能性はありますか?
A. 類似の動きは複数の保守州で見られます。州ごとに規制権限を持つ米国では、一州の規制強化が他州の立法の「参照例」になりやすい構造があります。テキサスは全米有数の市場規模を持つため、今回の規制は業界にとって象徴的なターニングポイントとみられています。
Q. 日本でもTHCAを含む製品は販売されていますか?
A. 一部の輸入CBD製品にTHCAが含まれている場合がありますが、日本では大麻取締法の規制対象外のヘンプ由来成分であっても、THC換算で基準を超える製品は販売できません。今後の規制議論において、THCAの取り扱いが論点になる可能性があります。
Q. 手数料3300%増は違法ではないのですか?
A. 米国では州が事業者に対する登録・許認可手数料を独自に設定する権限を持っており、手数料の大幅引き上げ自体は違法とはなりません。ただし業界団体は「事実上の廃業強制」として訴訟を検討しているとの報道もあり、法的な争いに発展する可能性があります。
Q. 「喫煙可能ヘンプ」とは具体的にどのような製品ですか?
A. ヘンプフラワー(乾燥花穂)や、それを原料にしたプレロール(巻きたばこ型)製品を指します。THC含有量がヘンプ基準(デルタ9-THC0.3%以下)内のものとして流通してきましたが、今回のTotal THC規制によりTHCA含有量が問題となり、テキサスでは販売禁止となりました。
編集長こぼれ話
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