CBD/CBG使用者で神経障害関連診断が84%低いというシグナル

白衣の男性がタブレットの下落グラフを指差し、緑色のセーターの女性が小さなボトルを持って驚きながらサムズアップしている室内の光景。壁には大麻の葉の絵がある。

「84%減」という衝撃のシグナル。

9/9、『ペンシルベニア州立大学』医学部の研究チームが、査読誌『Frontiers in Pain Research』に論文を発表しました。

研究では、神経毒性のある化学療法を受けた成人の電子健康記録を、TriNetX Research Networkから抽出。

化学療法後にCBDまたはCBGの使用記録があった83人と、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチンなどを使用した118,001人を比較しました。

その結果、CBD/CBG群では、化学療法後30〜365日の期間に、神経障害関連の診断コードが記録されるハザードが、調整後で約84%低くなっていました。

この研究で興味深いのは、使用時期による結果の違いです。

化学療法の「前」にCBD/CBGを使った場合は、有意差なし。

ところが、「後」に使った場合には差が出たという。

もちろん、CBD/CBG群は83人に対して、標準薬群は11万8,001人と、サンプル数の偏りはある点、留意事項です。

その他、患者背景や治療内容など、結果に影響した別の要因が残っている可能性もあります。

つまり、因果関係を証明した研究ではありません。

それでも「何か関係があるかもしれない」と無視できないシグナルは出ています。

オンコロジー領域の「化学療法後のケア」に、CBD/CBGは何ができるのか。

今回の研究は、その可能性を示す出発点になりそうです。

<出典元>
▶️ CBD And CBG Use After Chemotherapy Linked To Significantly Lower Neuropathy Risk Study Finds(The Marijuana Herald)
▶️ Cannabidiol/cannabigerol exposure and neuropathy-related outcomes after neurotoxic chemotherapy: a real-world cohort study(Frontiers in Pain Research)

このニュースの関連用語解説

化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)

化学療法の副作用として起きる末梢神経の障害です。手足のしびれ・痛み・感覚異常などが現れ、抗がん剤の減量・中止に至るケースもあります。現在の対症療法にはガバペンチンやデュロキセチンが使われますが、患者ごとの反応差が大きく、オンコロジー領域における未解決の課題として残っています。

TriNetX Research Network

世界の医療機関の電子健康記録(EHR)を匿名化・統合したリアルワールドデータプラットフォームです。実臨床データを対象にした後ろ向き研究に用いられます。本研究では、化学療法後のCBD/CBG使用群と標準薬使用群を大規模に比較するためのデータソースとして活用されました。

ハザード比(調整後)

特定期間内に事象が起きるリスクを複数群で比較した統計指標です。年齢・性別・合併症など交絡因子を統計調整した『調整後ハザード比』は、より公平な比較になります。本研究の『約84%低いハザード』は調整後の数値ですが、因果関係を証明する数値ではない点に留意が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q. なぜCBD/CBGの使用時期(化学療法の前 vs 後)で結果が違ったと考えられますか?

A. 研究では化学療法『前』使用群では有意差なし、『後』使用群でのみ差が確認されました。研究者らは因果関係を断定していませんが、化学療法後の症状発現後にケアとして使われた場合と、予防的使用の場合で母集団の特性や医療利用行動が異なる可能性が背景として考えられます。

Q. 現在の化学療法後の神経障害治療の標準薬にはどんな課題がありますか?

A. ガバペンチン・プレガバリン・デュロキセチンなどが処方されますが、患者ごとの反応差が大きく、めまい・眠気・体重増加などの副作用も課題として指摘されています。オンコロジー領域では『満たされない医療ニーズ』が残る領域とされ、新たな選択肢を求める研究が続いています。

Q. 83人vs118,001人という大きなサンプル差は、研究結果の解釈にどう影響しますか?

A. CBD/CBG群のサンプル数が少ないため、統計的検出力・偏り・外れ値の影響を受けやすくなります。研究者らも『因果関係の証明ではない』と明記しており、あくまで『さらなる検証が必要な仮説生成的なシグナル』として位置づけられる結果です。

Q. Frontiers in Pain Researchはどんな学術誌ですか?

A. スイス拠点の学術出版社Frontiers Mediaが発行する疼痛研究分野の査読付きオープンアクセスジャーナルです。医学・生理学・心理学など疼痛研究の学際領域をカバーしています。オープンアクセスのため誰でも無料で論文本文にアクセス可能で、業界内での参照可能性が高い媒体です。

Q. 日本のオンコロジー領域で、CBD/CBG研究の受容環境はどうなっていますか?

A. 日本では医療用大麻・CBDともに医薬品未承認で、臨床研究の実施ハードルが高い状況です。日本の学会でも補完療法としてのCBD議論はありますが、公的な臨床試験には制度整備が必要。海外研究の蓄積が、国内議論の材料として引用される段階にあります。

編集長こぼれ話

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    執筆者

    CBD Library for Biz編集長

    国内外の規制・医療・産業動向を、焦らず、騒がずほどほどに。年末恒例『大麻・CBDニュース総選』や業界レポート『CBD白書』も主催しています。 ▶︎日本臨床カンナビノイド学会会員/MM411カンナビスコンサルタントコース修了/MM411CBD医学ウェルネスコース修了/薬事法管理者/機能性表示食品検定上級エキスパート/アロマテラピー検定1級/貿易実務検定C級

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