『Square』CBD・ヘンプ決済停止を指示。規制前にインフラが業界を遮断

研究室または店舗のような場所で、タブレット画面(Squareのロゴが見える)を見て、驚いた表情で頭に手をやる男性。背景には多数の緑や紫のパッケージ製品の箱や植物が見える。

アメリカでは、規制より先に、インフラが動きました!

日本でも個人商店ではおなじみの決済サービス『Square(スクエア)』が、ヘンプ・CBD商材の決済停止を加盟店にサクッと通達。

背景には、現在予定されている、連邦のヘンプ規制厳格化があります。

容器あたり総THCが0.4mgを超える製品はほぼすべて違法扱いになり、施行は11月です。

業界的には『Square』ときたら、先走りにも程がある!

とはいえ、規制やグレーゾーンの行方をどう読むかは企業の責任。

『Square』も、アメリカ最大級の小売決済プラットフォームだけに、ここが「切る」と決めた瞬間、その他決済サービスへのドミノ倒しが加速する可能性も大きいです。

アメリカのヘンプ業界は今、規制の厳格化だけでなく決済インフラ遮断という二重の圧力に直面しています。

<出典元>
▶️ Square Tells Businesses to Stop Selling Hemp and CBD Products in Light of Upcoming Federal Ban(Marijuana Moment)

このニュースの関連用語解説

決済ゲートキーパー(Payment Gateway)と企業の法的責任

Square は単なる『決済サービス』ではなく、加盟店(販売者)と消費者の『金銭取引の仲介者』です。この『ゲートキーパー』としての立場は、重大な法的責任を伴います。もし Square が『違法製品の決済を仲介』していたと後発的に判明した場合、Square 自身が『資金洗浄に加担した企業』として連邦捜査の対象になる可能性があります。つまり Square にとって『ヘンプ決済停止』は『企業防衛』であり、『業界への冷徹な判断』ではなく『法的リスク回避』が動機です。決済企業は『規制当局よりも慎重』に行動しがちなのは、この『法的責任の大きさ』ゆえです。

ドミノ倒し(Cascade Effect)が起きるメカニズム

Square が決済停止を指示すると、他の決済企業(Stripe・PayPal・Shopify Payments 等)も『競争環境の同一化』を理由に同様の措置を取らざるを得なくなります。理由は『リスク回避の相互作用』です。1社が『ヘンプ決済を続ける』という戦略を選択すると、『なぜあの企業だけ法的リスクを取っているのか』という疑問が生じ、投資家・規制当局からの追及対象になります。一方で『全社が同時に停止』という共同行動なら『業界標準の厳格化』という名目で正当化できます。これが『ドミノ倒し』の正体であり、決定の『合理性』が企業間で連鎖することで『実質的な業界遮断』が起きるわけです。

なぜインフラ企業は政策より先に動くのか

政策当局(米国議会・FDA)は『複雑な利益調整』の中で判断するため、決定が遅れます。一方、決済企業は『自社の法的リスク』だけを計算すればよく、判断が速いです。特に『グレーゾーン規制』の状況では、決済企業は『違法と確定するまで待たない』という『予防的遮断』戦略を取ります。つまり『規制が確定する前に、自社リスクを先制的に排除する』ということ。業界視点では『先走りだ』と見えますが、企業防衛の視点では『合理的な判断』なのです。このズレが『政策より先にインフラが動く』現象を生み出しています。

よくある質問(FAQ)

Q. Square はなぜ政策施行前(11月前)に決済停止を指示したのですか?

A. 『法的リスク』が企業の行動を規定します。Square は『11月12日に違法になる』という予告を受けたら、その時点で『当該商材の取扱いは違法リスク』と判断し、先制的に停止措置を取ります。理由は『遅延による法的責任を回避する』ためです。11月12日まで『取扱い続ける』という戦略は『違法行為を事前認識していながら継続した』という故意性を示唆するため、罰則が重くなる可能性があります。つまり『停止の時間を前倒しする』ことで『故意性を否定する』という法的防衛戦略なのです。

Q. Square の『アメリカ最大級』というのは市場シェアでどの程度ですか?

A. Square は米国の小売決済市場でシェア約10~15%を占める大手企業です。ただし『最大級』というのは『絶対的シェア』ではなく『影響力』を指しています。特に『個人商店・フードビジネス・eコマース』といった中小企業層での普及率が高く、『ヘンプ販売企業の多くが Square を利用している』という業界構造があります。つまり『市場シェアは2位~3位でも、ヘンプ業界における実質シェアは50%超』という『業界特化度』が影響力を生み出しているわけです。

Q. Stripe・PayPal 等も同じように CBD 決済を制限していますか?

A. Stripe と PayPal も既に『ヘンプ・CBD商材は原則取扱い禁止』という公式ポリシーを発表しています。Square の『今回の決済停止通達』は『既に業界標準になっていた規制を、新たに周知した』という側面があります。つまり『ドミノ倒し』ではなく『既に倒れていたドミノを再度押した』という状況。ただし『通達のタイミング』が『11月施行直前』という『最後の警告』に機能したため、メディア報道が生まれたわけです。

Q. 企業が『ドミノ倒し』を恐れるのはなぜですか?

A. 『ドミノ倒し』とは『一社の判断が業界全体に波及する』という『競争環境の一変』を意味します。企業にとって『法的リスク』より『市場アクセスの喪失』の方が経営危機は深刻です。例えば『ヘンプ販売企業が全決済企業から遮断される』という事態では『オンライン販売』『クレジットカード決済』が事実上不可能になり、『銀行振込のみ』という極度に限定された販売手段だけになります。つまり『実質的な事業廃止』に等しい状態が生まれるわけです。

Q. 日本の決済企業も同様に CBD 決済を制限していますか?

A. 日本の決済企業(GMO・楽天ペイメント・SoftBank Payment 等)は『CBD商材の取扱い基準』を公開していません。ただし『米国規制の影響』を受けて、『医療用以外のCBD商材は原則禁止』という運用がなされている可能性があります。日本の法律では CBD 自体は合法(ただし THC 含有は違法)であるため、『完全遮断』ではなく『グレーゾーン商材の自主規制』という形が一般的です。ただし『今後、日本の CBN 規制のような『指定薬物化』が進めば、決済企業の制限も強化される可能性があります。

編集長こぼれ話

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    執筆者

    CBD Library for Biz編集長

    国内外の規制・医療・産業動向を、焦らず、騒がずほどほどに。年末恒例『大麻・CBDニュース総選』や業界レポート『CBD白書』も主催しています。 ▶︎日本臨床カンナビノイド学会会員/MM411カンナビスコンサルタントコース修了/MM411CBD医学ウェルネスコース修了/薬事法管理者/機能性表示食品検定上級エキスパート/アロマテラピー検定1級/貿易実務検定C級

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