「最近ちょっと物忘れ増えてきたわ〜」では済まない話、来ました。
大麻の常用ユーザー120人を対象にした、ワシントン州立大学のRCT(ランダム化比較試験)の研究結果です。
THC投与群、記憶テスト21項目中、15項目で統計的に有意な障害が確認されました。
内容も、ただの「忘れた」ではありません。
特に起きてないことを「起きた」と思い込む(偽記憶)、やるべきことを思い出せない(将来記憶)への影響が顕著。
用量は20mgでも40mgでも差なし。
つまり、「ちょっとだけだし大丈夫でしょ」が通用しないという…。
なお、今回の研究、THC限定の話です。
「CBDも大麻でしょ?」「結局一緒でしょ?」といった雑まとめにならないよう、そこは解釈と発信、気をつけたいものです。
大麻の多面性は魅力であり、難しさでもあり。
「説明を面倒くさがらない」ことが差になります。
THC Linked to Creation of False Memories and Difficulty With Memory Tasks
参考記事:Cannabis Health News(2026/4/15)
このニュースの関連用語解説
RCT(ランダム化比較試験)
参加者を無作為にグループ分けし、介入の効果を比較する試験設計です。「たまたまそういう人が集まっただけでは?」というバイアスを排除できるため、医学・薬学分野では因果関係を示す最も信頼性の高い手法とされています。今回の120名規模のRCTは、大麻研究としては大規模な部類に入ります。
偽記憶(False Memory)
実際には起きていない出来事を「あった」と確信してしまう記憶の歪みのことです。暗示や思い込みでも生じますが、今回の研究ではTHC投与によって統計的に有意な頻度で発生することが確認されました。目撃証言の信頼性など、法的・社会的な文脈でも注目される概念です。
THCとCBDの違い
THC(テトラヒドロカンナビノール)は大麻草の精神活性成分で、脳の受容体に直接結合し高揚感や知覚変容を引き起こします。CBD(カンナビジオール)は同じ大麻草由来ですが精神活性作用がなく、日本では一定条件のもと食品・サプリメントとして流通しています。今回の研究はTHC単独の影響を調べたものであり、CBDへの適用はできません。
よくある質問(FAQ)
Q. 今回の研究はCBD製品を使っている人にも関係しますか?
A. 今回の研究はTHCのみを対象としており、CBD製品への適用はできません。THCとCBDは同じ大麻草由来ですが成分・作用機序が異なります。CBD製品を扱う事業者にとっては、この区別を正確に伝えることが信頼構築の基本です。
Q. 将来記憶とはどういう記憶ですか?
A. 「明日の会議を忘れずに思い出す」「薬を決まった時間に飲む」など、未来の行動を適切なタイミングで実行するための記憶です。日常生活や業務遂行に直結するため、この機能への影響は単純な物忘れより実生活上の支障が大きいとされています。
Q. 大麻の常用ユーザーを対象にした研究結果は、一般人にも当てはまりますか?
A. 今回の対象は大麻常用者であり、初回または希少使用者への適用には慎重な解釈が必要です。ただし常用者でも有意な影響が確認された点は、使用頻度に関わらず注意を要するシグナルとして研究者は捉えています。
編集長こぼれ話
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