「助けるべき人には、必ず届ける」ウォール街を捨てた男が、13カ国に医薬品グレードの大麻を届け続ける

Michael Sassano(Somai Pharmaceuticals)

「実は今日、うちの施設に日本人の医師団が来る予定なんです」

インタビューを始めようとした瞬間、彼は少し照れたようにこう言いました。

ポルトガルの首都、リスボン。

この町で開催される医療大麻カンファレンス『PTMC(Portugal Medical Cannabis)』に合わせてやってきた日本人医師7人が、3,800㎡のEU-GMP認証を持つ大麻製造工場を訪ねようとしていました。

来訪目的は「ヨーロッパで医療大麻がどうつくられているのか?」を確かめること。

そんな朝の会話から、取材は始まります。

彼の名は、マイケル・サッサーノ(Michael Sassano)氏。

『ソマイ・ファーマシューティカルズ(Somai Pharmaceuticals)』 の創業者・会長兼CEOであり、世界13カ国(2026年時点)で医療用大麻を販売しています。

<出典元>
▶️ SOMAÍ Pharmaceuticals: Medical Cannabis Manufacturer(公式サイト)

かつてはウォール街の金融トレーダーでした。

彼はまた、プライベート・エクイティを通じた不動産開発事業にも携わり、その後、アメリカで大麻ビジネスの投資家に転じました。

さらに、ネバダ州の砂漠地帯に、35万平方フィート(約3.2万㎡)の温室を自ら設計・開発した他、兄弟とともに29か所の大麻関連施設を建設しました。

2021年、再びヨーロッパへ渡り、リスボンで医薬品メーカーを立ち上げました。

彼が取材の中で、何度も繰り返した言葉があります。

「大麻は万人向けじゃない。だからこそ、助けるべき人のところには、必ず届けなければならない」

それがこの男の誓いです。

そしてその誓いを実現するために、彼はいま4つの巨大な障壁と向き合い続けています。

  • 「大麻は薬ではない」という壁。
  • 「大市場だけを狙え」という業界の常識。
  • 医療目的と消費者の嗜好を分けて考える論理
  • 政治と既得権益。

理想は、まだ先にあります。

ウォール街を捨てて、大麻ビジネスにどっぷり浸かる

小型の双発プロペラ機の前で、グレーのジャケットと赤いネクタイを着けた男性が片手を機体に置いて立っている空港の写真

サッサーノ氏は、ウォール街の金融トレーダーからキャリアが始まった人物です。

安定した高収益のキャリアを持ちながら、彼は早い段階で大麻業界に投資家として関わり始めます。

当時、アメリカでも大麻はまだ不透明で偏見の強いビジネス領域でした。

金融トレーダーが好んで踏み込む場所ではなかった、というのがより正確でしょう。

そして投資家から、経営者へ。

彼が最初に自ら手がけた大規模事業は、ネバダ州ラスベガス市内に建てた『ソラリス・ファームズ(Solaris Farms)』。

約35万平方フィートの砂漠温室でした。

不動産開発で培った知識を活かし、乾燥地帯の気候を利用した独自の遮光・蒸発冷却システムを設計。

建設費100ドル/平方フィート以下、生産費100ドル/ポンド以下という業界屈指の低コスト構造を目指したプロジェクトです。

大型ガラス温室施設を上空から撮影した航空写真。透明な屋根が連なる栽培ハウスと周囲の道路・建物が見える

彼はここで、大規模栽培のスケールを一度極めました。

しかし、成人してからの人生の大半をヨーロッパで暮らしてきた彼は、ずっと帰る想いを抱えていました。

ちょうどその頃、ヨーロッパで大麻市場が動き始めます。

「アメリカで培ったノウハウを、ヨーロッパ諸国に持ち込むのが自分にとって正しい選択だと感じました」

2021年初頭、彼は再び大西洋を渡ります。

ポルトガルの医薬品規制当局『インファルメド(INFARMED)』の進歩的な大麻政策を評価し、非EU諸国からのバイオマス輸入のしやすさ、リスボンの高度な生物医学人材プールを見て、拠点をリスボンに移したのです。

ウォール街を捨てて、砂漠に温室を建て、それでも足りずに大西洋を越えた。

そのまま続ければ、安泰な道を捨てて、彼が向かった先が、最も規制が重く、最もコストがかかり、最も時間がかかる領域、医薬品としての大麻でした。

「大麻は薬ではない」という壁

SOMAIのロゴが掲げられた近代的な工場施設の外観

医薬品グレード(EU-GMP)で大麻をつくるということは、ヨーロッパで最も高いハードルを乗り越えるということです。

栽培基準、抽出プロセス、製剤、品質管理、ドキュメンテーション。

製薬業界と同じレベルの厳格さが要求されます。

より早く収益化させる道は、他にいくらでもありました。

ヘッドショップ、グレーマーケットのCBD製品、あるいは契約栽培を通じた患者が自ら選択する市場。

それらのほうが、投資回収は圧倒的に速い。

それでも、サッサーノ氏は医薬品グレードの大麻製造にこだわり続けます。

『ソマイ・ファーマシューティカルズ』はいま、リスボンの 3,800㎡のEU-GMP認証施設(将来的に7,600㎡まで拡張可能)で、150を超える製品バリエーションを製造しています。

16種類のグミ、24種類のヴェポライザー、40種類以上の経口ドロップ、8種類のソフトカプセル、さらにロジンなど、さまざまな抽出物の製品があります。

SOMAÍ Pharmaceuticalsの医療用大麻製品ラインナップ。白い容器のドライハーブ、茶色のボトルのTHC抽出液、オイル、パッチ、スプレー、カプセルなどが整列して並んでいる商品写真

また『ソマイ・ファーマシューティカルズ』では、すべてのバッズ(大麻の花)はインドア栽培に限定。

世界各地の12社の屋内クラフト栽培事業者と提携し、『ソマイ・ファーマシューティカルズ』は『エアロ(Airo)』、『べドロカン(Bedrocan)』、『ジャックヘラー(Jack Herer)』、『シャービンキス(Sherbinskis)』、『イリデセント(Iridescent)』、『キセキ(Kiseki)』などの著名ブランドの製品も、すべてEUの医薬品基準に準拠した形で流通させています。

<出典元>
▶️ Airo Brands(公式サイト)
▶️ JackHerrer.Com - The Emperor Wears No Clothes(公式サイト)
▶️ SHERBINSKIS | Home of the Original Gelato(公式サイト)
▶️ Iridescent Med GACP EU-GMP Thai Commercial Fully Integrated Cannabis Facility(公式サイト)
▶️ CBDオイル | キセキミー KISEKI ME|高品質CBD(公式サイト)

そして、興味深いのは彼自身の信念の進化です。

2021年時点でのインタビューでは、彼は「『ソマイ・ファーマシューティカルズ』は栽培はヨーロッパの既存事業者に任せ、製造に集中する」と述べていました。

専門化による効率、既存EU栽培業者との差別化、それが当時の戦略でした。

しかし現在、『ソマイ・ファーマシューティカルズ』は種から棚まで(seed to shelf)を自社で握る、完全な垂直統合モデルへと舵を切っています。

今なぜ、それが必要なのか。

「完全な垂直統合モデルに到達できるのは、うちを含めてもほんの一握りの企業だと信じています」

彼はインタビューでこう答えています。

医薬品製造施設の写真コラージュ。左は白衣の研究者が作業するラボ、右上はステンレス製の製造機械、右下は広いクリーンな製造ホール

自社で栽培し、抽出物や医薬品を製造し、その国で自社製品を流通させ、クリニックや薬局と直接提携して処方・調剤する。

バリューチェーン全体を握ることで、異なる角度から患者と対話でき、品質を他社に委ねずに済む。

「多くの企業には難しくても、うちには必須」と、彼は言い切ります。

医薬品側の道を選んだ以上、そこだけは妥協できない。

それが、彼が垂直統合を「必須」と言い切る根拠でした。

「大麻は薬ではない」という社会通念の壁は、言論では破れません。

医薬品グレードの実物を、EU全土の薬局に一貫供給し続けること。

それが、この壁を破るための、彼の答えです。

「大市場だけを狙え」という業界の常識

SOMAÍ Pharmaceuticalsの展示ブース写真をまとめたコラージュ。左はカウンター前で5人が並ぶブース、右上は7人の集合写真、右下は製品ポートフォリオ展示の前で4人が立っている様子

『ソマイ・ファーマシューティカルズ』は 2025年3月時点で 13カ国で事業を展開し、今後、新たな市場が立ち上がるたびに、順次すべての市場へ事業を拡大していく計画です。

すでに販売開始後わずか1.5年で黒字化を達成し、€450万の借入枠を確保。

フィールドセールス、品質管理・品質保証、マーケティングチームがドイツ・オーストラリア、イギリスなどに現地拠点を持つ体制を築いています。

数字を見れば、狙うべき市場は明らかです。

ドイツ、イギリス、オーストラリアを合わせた市場規模は€20億で、ドイツだけでもすでに€13億を超えています。

ポーランド、スイス、イタリアはそれぞれ€1億の中位市場。

ビジネス論理では、この上位6カ国に投資を集中するのが定石です。

実際、業界にはそういう声があります。

彼自身、インタビューでこう述べています。

「ビジネス的にはドイツ、イギリス、オーストラリアの3大市場だけを見るべきだ、という意見もあります。でも、それが正しい見方だとは思いません」

大きな市場にはより多く投資する。

それは当然です。

しかし、スロベニアや、まもなく市場が立ち上がるフランス、最近市場がスタートしたスペイン、チェコ、ニュージーランド、アイルランド、クロアチア、マルタ、デンマークなど、これから始まる国々もあります。

そういった小さな国、あるいは動き始めたばかりの国にも、『ソマイ・ファーマシューティカルズ』は進出していきます。

「ブランド認知だけでなく、彼らに最良の薬を届けるためです。我々がやっているのは、症状に苦しむ人への救済の提供だと信じているのです」

つまり、市場の大きさで進出先を選ぶのではなく、実際に参入可能な市場のすべてに、彼は届けようとしています。

それは、「助けるべき人には、必ず届ける」という誓いを、世界地図の上に描いた形です。

医療と嗜好を分断する論理

SOMAÍ Group関連のイベント写真コラージュ。左は3人が雑誌を持って記念撮影、右上はプレゼン画面の前で2人が立っている様子、右下は禿げた男性がガラスの賞を持っている写真

医薬品グレードで大麻をつくる立場に立つと、しばしば陥る誘惑があります。

「我々は医薬品側、彼らは消費者の嗜好側だ」と線を引き、後者を切り捨てることです。

政治的にも規制的にも、そのほうが立場は安定します。

「うちは薬をつくっている。グレーマーケットとは違う」と言えば、当局も納得しやすい。

しかしサッサーノ氏は、そこに線を引きません。

「ある意味、我々は全員同じ大麻コミュニティの一員です」

CBDでもTHCでも、ヘッドショップで喫煙器具を買っていても、皆、痛み・ストレス・不安・食欲不振を緩和したくて、最良の方法を探しています。

医療機器は重要ですが、皆が支払えるわけでもないし、皆が好むわけでもありません。

だから「あちらはダメ」とは言えない。

「私たちは医薬品側だからグレーマーケットで買うな!とも言えません。すべては絡み合っています」

ここで彼が示すのは、医薬品側の役割は「上に立つこと」ではなく、「ギャップを埋めること」だという考え方です。

たとえばヴェポライザー。

以前は、バッテリーを買うためにヘッドショップに行くしかありませんでした。

エキスをヴェポライザーで使う道が、医薬品側にはありませんでした。

しかし現在では、MDR(医療機器登録)を取得し、COA(分析証明書)を備えた医療用ヴェポライザーが、『ソマイ・ファーマシューティカルズ』が事業を展開する各国の薬局で購入できるようになっています。

品質基準が保証された選択肢が、規制の中で正当に手に入る。

「経口ドロップをシリンジで測って摂るのが嫌な人は、ジェルカプセルやグミの単回投与を望見ます。今はそれが医薬品フォーマットで手に入ります」

より高濃度のバブルハッシュのようなものも、いまは医薬品として存在します。

『サティベックス(Sativex)』や『エピディオレックス(Epidiolex)』のように治験を経た本物の医薬品を必要とする人もいます。

全部、同じ産業の一部です。

「医薬品側で、そのギャップを埋める高度な製品をつくればつくるほど、より安全な選択肢を求める人が、自然にそこにたどり着けます」

これは排除ではなく、共存の戦略です。

ヘッドショップを潰すのではなく、そこにしかなかった選択肢を、より安全な形で医薬品側にも並べる。

届け方の多様性を守ることが、届けるべき人を最大化する。

それが、この男の一貫した立場です。

政治と既得権益

リスボンで開催された第7回国際医療用大麻会議(PTMC 25)のパネルディスカッション。大きなスポンサーバナーの前で5人が椅子に座って話している様子

大麻業界の敵と聞くと、多くの人は反大麻の保守層を思い浮かべるかもしれません。

しかしサッサーノ氏がインタビュー中に最も強い言葉で名指ししたのは、別の存在でした。

「既存産業は、収益を失いたくありません。合法化された州では、アルコールの消費量やオピオイドの使用量が減少しています」

事実、アメリカを代表する世論調査会社『ギャラップ社』のよれば、直近で初めてアルコールより大麻を定期的に使う人の割合が高くなりました。

そんな数字も彼は指摘しています。

合法化州でアルコール消費が減れば、当然、酒類業界は自社の売上を守るために動く。

既存の医薬品業界にとっても、痛み止めの市場は失いたくない収益源です。

大麻産業が戦っているのは、規制当局だけではありません。

規制当局の背後にいる、既得権益の政治力です。

そして政治そのものへの言及も、彼は避けませんでした。

「想像してほしい。進歩的なアメリカでさえ、今の時代にほぼどの州でも大麻が入手できるのに、一部の州では人を助けるこの成分を使ったことで逮捕・投獄しています。これは野蛮に映ります」

「野蛮」、業界の経営者が公式インタビューで使うには、かなり踏み込んだ言葉です。

しかし彼は続けます。

「少なくとも、非犯罪化には合理性がありますし、世界はその方向に進んでいます。20年にわたる合法化への試みを経て、アメリカもまもなく公式に大麻は医療であると認めることになるでしょう。すでにその根拠となるエビデンスは存在しています」

そう述べたあとで、彼はこう結びました。

「これを止めていたのは、政治だけです」

医薬品業界の中で立ち回るには、政治への直言は避けるのが賢明です。

当局との関係が悪化すれば、認可プロセスに影響する。

それでもこの言葉を口にするのは、「届けるべき人に届いていない現実」の責任を、政治に帰属させることを彼が譲れないからでしょう。

野蛮なのは、大麻を利用できないことです。

大麻を届けさせないことのほうが、野蛮なのです。

「1錠で治す」モデルの真逆。選択肢としての大麻

医療用大麻関連製品のコラージュ。左は青い手袋で赤いグミをつまむ手元、右上はオイルボトルと小皿、右下は白いクリーンルームのデスクに置かれた白いAIROヴェポライザー

障壁と戦うだけでなく、届け方そのものにも、彼は独特の哲学を持っています。

カリフォルニアという、合法化からほぼ20年経過した、非常に成熟した市場。

ここで初めて、ヴェポライザー製品の売上がバッズの売上を上回った、と彼は言います。

理由は、携帯性、目立たなさ、匂いの少なさ。

アメリカ全体でも、いまや約50%がエキス製品です。

ヨーロッパでも同様で、いま最も伸びているカテゴリーでもあります。

しかし面白いのは、その先の話でした。

「昨日話した人は、椎骨の慢性痛のためにヴェポライザーを使っていました」と彼は語ります。

「エディブル(食べるタイプ)は試しましたか?」と勧めたところ、その人は「両方使ってもいいんですか?」と尋ねてきたと言います。

「実際、両方を使う治療法もあります。日中・夜間の安定した効果を得るためにエディブルを使い、痛みが急激に強くなったときには吸入を使うのです。両者を組み合わせた“デュアルアクション”のアプローチを取る治療法は、数多くあります」

エディブルは効きが出るまで30分〜1.5時間かかりますが、効き目のカーブは長く続きます。

ヴェポライザーはすぐに効いて、すぐに切れます。

両者は効き方がちょうど真逆だからこそ、組み合わせれば、日中の安定した効き目と、突発的な強い痛みへの対応、両方をカバーできるのです

彼はこう結びます。

「この錠剤を飲めば治るという従来の医薬品モデルとは違い、選択肢は千通りあります」

品種はこれか、あれか。

摂取方法はこれか、あれか。

医薬品の逆モデル。

「それが大麻という薬の本質だ」と彼は言うのです。

万人向けではないが、多くの人を助けます。

ただし、その多くの人それぞれに、届け方は違います。

だからこそ、150種類を超えるエキス製品のバリエーションと、何百種類ものバッズの選択肢が必要なのです。

選択肢の豊かさそのものが、届けるための武器です。

「同じ体なのに、なぜ日本では届かないのか」日本への提言

雪に覆われた富士山を背景に、赤いニット帽と青いミラーサングラスをかけた男性が山を指差して微笑んでいる冬の風景

インタビューの最後、日本への提言をお願いしました。

すると彼は、少し嬉しそうにこう答えました。

「私は大の日本ファンです」

大学で日本のビジネスを学び、いまでも毎年ニセコにスキーに行き、機会があれば必ず日本を訪れます。

いつかリタイア後に住むかもしれない。

そんな彼が、日本の医療大麻の現状をどう見ているか。

「アメリカ人・ヨーロッパ人・日本人の身体が大きく違うわけじゃない」

アメリカでは初めて、ギャラップ調査でアルコールより大麻を定期使用する人の割合が上回りました。

世界13カ国で、同社製品は実際の患者に届いています。

しかし日本では、依然として届いていません。

「違いはメンタリティ、そして規制という偽の障壁と文化的障壁」

欧米でも、かつて同じ文化的障壁が立ちはだかっていました。

「これは薬ではない、ただの麻薬だ」という声が。

しかし、その壁は打ち破られ、何千万人もの人々が、この天然のハーブによって助けられました。

ならばなぜ、日本の人にも届けないのか。

彼が示した数字は、アメリカ政府の推計です。

人口の約17%がその恩恵を受ける層。

それはまた、彼の信念「すべての人に必要というわけではないが、このハーブを利用できるべき人々がいる」を、そのまま日本にも当てはめた数字でもあります。

そして彼は、日本文化への信頼を口にします。

「日本文化はハーブ医療に根ざしていて、自然由来の解決を求める文化です」

漢方の歴史があります。

自然由来の療法への受容性があります。

だから日本は必ず受け入れる、と彼は信じています。

取材を聞き入れた我々に、彼はこう言葉を残しました。

「日本では物事は速くは進みません。受け入れられ、公に受容されるまで時間がかかります。だからこそ、教育と公的受容が重要になります。『CBDライブラリー』が啓発の道をつくっていることは素晴らしい取り組みです」

これは外部からの提言というより、同じ誓いを持つ同志への言葉に近いものでした。

日本の患者に届けるべきものが、まだ届いていない。

その現実を、彼は他人事として見ていません。

まとめ

広い倉庫内でSOMAÍ Pharmaceuticalsの大きなバナーの下に、男女約20人が横一列に並んで記念撮影している集合写真

ウォール街の金融トレーダーは、ネバダの砂漠に35万平米の温室を建て、そこも越えて大西洋を渡り、リスボンで医薬品グレードの大麻メーカーを立ち上げました。

いま世界13カ国で医療大麻を届け、参入可能な市場すべてへの拡張を続けています。

彼が戦っているのは、規制の煩雑さでも、認可の遅さでもありません。

「大麻は薬ではない」という社会通念、「大市場だけを狙え」という業界の常識、「医療と嗜好を分ける」論理、そして「これを止めていたのは政治だけ」という彼自身の言葉が指した、政治と既得権益。

4つの巨大な相手です。

戦いは、まだ途中です。

アメリカは連邦合法化に近づいています。

もしそれが実現すれば、『ソマイ・ファーマシューティカルズ』はEUからアメリカ医療市場への販売、あるいはアメリカ企業をEUに持ち込むというクロスボーダーの世界を開きます。

アメリカとEUの両方を知る彼にとって、それは長らく温めてきた次のフェーズです。

13カ国の先には、まだ届いていない国々があります。

CBDすら認めない国、規制が極端に厳しい国。

そして、日本。

「大麻は万人向けじゃない。でも、多くの人を助けます」

だからこそ、助けるべき人には、必ず届けます。

この誓いを歩き続ける限り、道は、まだ先に続いています。

理想は、まだ先にあるのです。

項目情報
企業名Somai Pharmaceuticals
設立年2019年
代表者マイケル・サッサーノ(Michael Sassano)
所在地Lugar de Casal Pinheiro, Urbanização Pinheiros Park II, Block B., R. 13 de Maio 52, 2580-507 Carregado, Portugal
事業内容EU-GMP 認定の医薬品グレード大麻製品の製造・販売
URLhttps://somaipharma.eu/

シリーズ『世界の大麻侍』

21世紀、大麻・ヘンプ産業という名のカオス。

この不透明な業界で、それぞれの立場から、業界の夜明けを信じて戦うプロフェッショナルたちがいます。

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本シリーズでは、世界中の最前線で活躍するプレイヤーを訪ね、大麻侍が守り抜く「信念の形」を解き明かしていきます。

本記事は、世界の大麻ビジネスの実情をレポートするものであり、日本国内での違法薬物の使用、所持、栽培、売買等を推奨・助長する意図は一切ありません(THCを含む大麻製品は、日本の法令で厳しく規制されています)。

執筆者

CBD Library for Biz編集長

国内外の規制・医療・産業動向を、焦らず、騒がずほどほどに。年末恒例『大麻・CBDニュース総選』や業界レポート『CBD白書』も主催しています。 ▶︎日本臨床カンナビノイド学会会員/MM411カンナビスコンサルタントコース修了/MM411CBD医学ウェルネスコース修了/薬事法管理者/機能性表示食品検定上級エキスパート/アロマテラピー検定1級/貿易実務検定C級

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